iTunesでアルバム全曲フル視聴できるプロモーションに見る、今後の音楽販売の行方について

とくに買いたい曲がなくてもiTunesを眺めるのが好きな@Banguardです。
ギターがライフワークだからでしょうか、iTunesの音楽情報をよくチェックしています。今日もボケっとiTunesを眺めながら掘り出し物を探そうとしていたところ、"The White Stripes"ボーカルのソロ作品がトップ紹介されていました。驚いたのがそのプロモーション方法です。
なんと、アルバム全曲が無料視聴できるようになっているのです。ちょっと驚いたので、少し考えてみました。

発売前のアルバムを全曲視聴可能というプロモーション

まずはiTunesの画面キャプチャをご覧ください。

なんと、発売前にもかかわらずアルバム収録曲が全曲フル視聴できちゃいます。発売後にCDショップで視聴するのは日常茶飯事ですが、発売前にフルで全曲視聴できるのは聞いたことがありませんでした。曲を選択できるわけではないので快適ではないのですが、挑戦的なプロモーションですね。

iPadでも視聴可能

iPadのiTunesからも全曲視聴が可能です。

視聴したら、すぐに予約注文画面に移ることができるようになっています。

う〜ん、グッドプロモーション。ビビっときた曲ならその場で衝動的に注文する人も多いんじゃないでしょうか？

ちなみに、iPhoneではフル視聴はできませんでした。iPhoneでも視聴できればもっと効果的だと思うのですが。

オンライン販売を前提としたプロモーション

現在の音楽販売市場は、パッケージを買ってもらう時代は終わりを迎えています。代わりにオンラインで楽曲を購入する仕組みへとパラダイムシフトを遂げました。しかも、アルバムでありながら単曲販売ができてしもうようになっています。

アーティストからしてみると、アルバムの1曲目から最後の曲までひとつの作品として作り上げたとしても、好きな曲だけ買われてしまっては本来のアルバムに込めた想いがリスナーに届かないという状況になってしまいました。
よほどのファンでない限り、アルバムをフルで聴くことはしないですよね。

したがってアーティストも、パッケージ販売だけを考えたプロモーションでは今までのような利益を産まない時代になったことを受け入れていく必要があるのでしょう。いかにオンラインでのダウンロード販売で自作を流通させるかを真剣に考える必要があります。オンライン販売を前提にプロモーションを考えなければいけないわけです。

今回のiTunesでの無料全曲視聴のプロモーションは、オンライン販売を前提としたプロモーションの好事例ではないでしょうか？
オンライン販売の利点としては、今まで楽曲に触れる機会のなかった新たなリスナーを開拓しやすいということがあげられるでしょう。iTunesで紹介されていれば、聞いたことのないアーティストでもなんとなくタップしてしまいます。（僕だけかもしれませんが…）

そんな時、全曲視聴できれば新規リスナーにダイレクトに訴求ができます。しかもダウンロード販売ですので、視聴と購入のボタンは真横にならんでいます。気になったリスナーにその場で予約注文させることができるわけです。

今後は、もっと多くのアーティストがオンライン販売を目的に視聴と予約注文をセットでアピールしていくでしょう。

今日のあしあと

「進化論とは、変化に対応することである」

よく僕の勤める会社の社長が話す言葉です。
ダーウィンの進化論とは、変化に対応することだとのことです。今回目にした、「販売前のアルバム全曲をフル視聴」というプロモーションも変化に対応した新たな手法となるでしょう。

こんな発見もあるから、iTunesをダラダラ眺めるのは面白いんですね。


ひとりごとみたいな記事にもかかわらず最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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